チャート ・ 売買サイン・ テクニカル指標


Fchartで使用しているチャート、サイン、指標の説明です。 順次整備しています。
詳しくは、それぞれの説明に記載された参考文献などを参照してください。
(*)印はオシレーター系指標です。

  <チャート> <売買サイン>      <テクニカル指標1>    <テクニカル指標2>
ローソク足 中源線 株価移動平均 エンベロープ(n%カイリ)
バーチャート 天底転換マーク HLバンド 究極のオシレーター(*)
折線チャート 指数転換マーク デイレクショナルムーブメンテ(DMI) ウイリアムズR
一目均衡 カルマン平滑 一目均衡表
カギ足 モメンタム(*) 相対移動平均指数
ねり足 天底レシオ変化率 2移動平均間カイリ
新値足 株価カイリ ボリュームレシオ
ARMS P・Vレシオ MACD
平均足 RCI(*) RSI(*)
STC(*) サイコロジカル
ボリンジャーバンド 出来高移動平均

<チャート>


<売買サイン>


<テクニカル指標>

オシレーター系指標(STC, RSI, RCI, モメンタム、DMI, 究極OSCなど)

オシレーター系指標というのは株価や出来高の変化のスピードを指標化したもので、これから買われすぎ、売られすぎを判断しようとするものです。   簡単に言えば相場の勢いを現したものともいえます。   オシレーター系指標の長所も欠点もこの性格からきています。 相場がサインカーブのようにきれいなうねりを示している時などは、これがテクニカルだと言えるような見事なサインを出しますが、長い上昇や下落などの大相場時には、早すぎるサインになって、早すぎる利食い、あるいは致命的な損失を被ることにもなります。    この欠点をカバーするため、短、中、長期の指標を総合的に判断して、天底を探ろうとする試みも散見されますが、いずれも主観を伴うもので、なかなか誰でもすぐに使える指標にはならないものです。   これが一見、熟練の技に見えて玄人好みの指標なのかもしれません。  


エンベロープ(n%カイリ)

別名単純カイリ移動平均線といわれるもので、基準の移動平均線から平行して上下にラインを引きます。   移動平均線のバンドを書くことで、トレンドや、相場の反転の参考にしようとするものです。

パラメータとして例えば、13,1,2,3と入力すると、基準の移動平均線が13日(週)とこれに上下に閉口して、基準線の1,2,3%の線を引きます。 基準線からの幅が同じで平行するというのが下記のボリンジャーバンドと異なる点です。


ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドはJohn Bollingerが開発した移動平均線の上下にバンドを作ることで、相場の反転の目安を判断するものです。   その日の移動平均から標準偏差の数値を基準の移動平均からプラス、マイナスして計算します。 持ち合い期間で小さかったボラリテイーが増大するとボリンジャーバンドを幅を超えて変化します。 この変化で反転を捕らえようとするものです。 バンドの変化(ボラリテイーが大きくなる)が相場の変化というわけです。 しかし、ボリンジャーバンドだけで相場の反転を判断するのは少し無理があるようです。 予想外の変動時には過去の例を元にしたバンドを大きくはみ出す事もあるからです。  

統計的には、データが正規分布をしている時、平均値±1標準偏差内のデータ確率は68%、±2標準偏差内のデータ確率は95%となっています。 これから、上昇相場時には、株価は+1から+2ツ強い相場であれば+3までの間で推移する確率が高く、この範囲を逸脱した場合は相場に復元力が働くことになります。 相場を確率分布でチャートに反映して使用するのは面白い試みです。

いずれにしろ、計算期間を週足であれば13週なのか26週なのか、採用する期間でもレンジの出方が異なります。   ユーザーの経験が必要な指標ですね。 


モメンタム   (参考文献は日本の株価分析他)

計算周期の設定値をそれぞれ、S,M,Lとします。 default=4,13,26

1.L週前との株価変化率の時系列を用意します。
2.このデータのM週時間加重移動平均を計算し、時系列を用意します。 --- (A)
     (直近を3、M週前を1とする加重、以下同じ)

3.M週前との株価変化率の時系列を用意します。
4.このデータのM週時間加重移動平均を計算し、時系列を用意します。 --- (B)

データA, データBを使って、合成モメンタムを計算します。

  合成モメンタム=データA * 60% + データB * 40%

この合成モメンタムの前週変化率をとって、最終モメンタムとします。
また、最終モメンタムのS週移動平均をとって、補助モメンタムとしています。

モメンタムは週足、月足で主に使われるもので日足ではだましが多くなります。
下記の説明は上記日本の株価分析に出ているものです。   やはり、相場が6ヶ月
も下落するような局面では、ちょっと合わない面がありますが、最終モメンタムと
補助モメンタムの交差に着目するなどで相場の転換点の判断に役立ちそうです。

1.二つのモメンタムが共にプラスゾーンにあり、最終モメンタムが補助モメンタムの
    下にあれば、相場の調整入りとみて保有をゼロにする。
2.最終モメンタムが補助モメンタムの下にあって、最終モメンタムの値がゼロ
    より小さくマイナス2より大きければ、相場の調整局面入りを確認する状態と見る。
3.二つのモメンタムがともにマイナスゾーンにあって、かつ最終モメンタムが補助
    モメンタムの下にあり、また、最終モメンタムがマイナス2以下にあれば調整局面
    相場も底入れ近しとみる。
4.最終モメンタムが補助モメンタム上にあって最終モメンタムの値がプラスであれば
    相場の調整局面入りを確認する状態と見る。


デイレクショナル・ムーブメント・インデックス(DMI)

DMIはオシレーター系指標ですが、主にトレンドを読むのに使用します。
PDI(Plus Directional Indicator) : プラスの方向性の指数
MDI(Minus Directional Indicator) : マイナスの方向性の指数
DX(Directional Movement Index) : PDI,MDIから作成するもので、価格の上昇下落にかかわらず、方向性が強く出れば増加します。
ADX(Average Directional Movement Index) : トレンドの強さの指数
    DXのn日修正移動平均
ADXR : ADXのn日前のADXを加えて2で割ったもの。 滑らかの動きをする。

売買のタイミング : PDIとMDIの交点の後、ADXがPDIとMDIのクロスポイントを上に越えたとき。

手仕舞いのタイミング : ADXのピークアウトなどです。 ADXがいったんピークアウトした後、また上昇を続けるケースもあるので、注意が必要です。

上記はかなり簡単な説明で、一例に過ぎません。 DMIの見方はかなり経験を要するように思います。   さらに詳しい解説は<初めてのテクニカル分析>参照してください。


一目均衡表

一目均衡表は一目山人が相場と時間とこ関係を重視して作成した指標と言われるものでいまでも多くの投資家に指示されている。   個人的にはこの指標のみで相場の転換点を判断するのは無理があると思っていますが、波動論、水準論、時間論など一見相場哲学的な理論のように見えるせいか、ファンが多いようです。
ここでは、パラメータの使い方と簡単な解説のみになりますので、詳細は、日本の株価分析など、他の解説書を参照してください。 ()ないはdefaltの日数です。

以下、転換周期=T(9), 基準周期=K(26), 先行スパン=S(26), 遅行スパン=C(26) とします。

転換線 : 転換周期T日間の高値と安値の中間値を計算し日々プロットするものです。

基準線 : 同じく、基準周期K日間の高値と安値の中間値を計算し日々プロットします。

先行スパン上限 : 転換線と基準線の中間値を計算し、それを先行スパンS日間先行させて、プロットしていきます。

先行スパン下限 : 過去先行スパンSの2倍の高値、安値を計算し、それを先行スパンS日先行させてプロットします。

この先行スパンの上限、下限を網目にして雲といい、相場の抵抗帯とみます。 株価がこの抵抗帯の上にある時は下値支持帯、逆の場合は上値抵抗帯になります。

遅行スパン : 当日の終値を遅行スパンC日遅行させたもので、C日前の相場と比較していきます。

売買のタイミングは、転換線が基準線と交差した時、遅行スパンが遅行スパンC日前の株価を抜けて、基準線の方向が逆になった時、日足が先行スパンの抵抗帯を抜いた時、などです。  

また、相場の歩みを波動と見て、波動の基本型をNの形で表し、その形から相場の先行きを判断することもあります。

これに、時間論を加えて、時間を重視する立場を取っています。

一目均衡表は、計算自体は簡単ですが、一意のサインが出るような指標ではないので、奥が深い指標になっています。   詳細は上記日本の株価分析など専門書を参照してください。


株価移動平均

Fchartで表示出来る株価移動平均には下記の5があります。

相対移動平均指数
単純移動平均
指数移動平均
過重移動平均
直近重み移動平均


HLバンド 

以下は、波乗野郎さんの説明を引用させて頂きました。

「Trade with the Trend(トレンドにつけ)」
これは、成功したトレーダーの多くが最も基本としているルールで、上昇トレンドならば買い、下降トレンドならば売りということです。
このルールは、理解するのはとても簡単です。しかしながら、実行するのは最も困難なルールでもあります。
残念ながら、トレンドの端から端まで全てを完全に取ることのできるトレーディングシステムはありません。しかしながら、多くのテクニカルツールがこのマーケットのトレンドの転換点をいかに見つけ出すかということを目標に作られています。

このトレンドフォローシステムで最も一般的なものが「チャネルブレイクアウトシステム(レンジブレイクアウトシステム)」と呼ばれているものです。
これは、英語で聞くと難しそうですが、実は単純な仕組みです。つまり、過去N日間の高値を抜いたら買い、安値を抜いたら売りということです。

HLバンド(HLストップ)は、このチャネルブレイクアウトシステムのベースとなる指標です。
これは、リチャードドンシャンの4週ルールをチャート化したもので、多くのCTA(商品投資顧問)がシステムのコアとして採用している手法をビジュアル化したものです。現に商品相場では、このポイントに来ると、ファンドの資金がどんと入ってきます。

計算方法は簡単で、次のとおりです。
当日のH線   :前日からさかのぼって20日間の高値(ザラバ)
当日のL線   :前日からさかのぼって20日間の安値(ザラバ)
当日の中心線:H線とL線を足して2で割る。

売買ポイントは、ストップラインの上か下へクロスした時に発生します。つまり、買いであれば過去20日間の高値を上向きにブレイクしてきたということで、買い出動になるわけです。トレンドフォローの基本中の基本です。いわゆるダウ理論で言う直近の高値・安値のブレイクをいかに捕らえるかという指標です。

売買シグナルは、すなわちトレンド発生のシグナルとなり、トレンドが続く限り続きます。
また、保合い相場からの損は、他のトレンドフォローシステムよりは比較的少なく押さえることができます。

HLバンドは、過去N日間の高値安値をチャート上に引っ張ったものですからとてもシンプルです。HLバンドの価値があるのはこの「シンプル」なところです。変な統計手法を使っても、理屈がわからなければ使いこなすことは難しいからです。

見ていただければおわかりのように、ボリンジャーバンドと似ていますが、ブレイクポイントが明確に示されているので、現実に使うにあたっては、こちらの方が納得性があります。
全てのトレンドフォローシステムの目的とするところは、早い段階でトレンドに乗ることと同時に、保合い相場からの損失をいかに避けるかということにあります。
HLバンド(ハイローストップ)は、平均値などを使わずに実際の高値安値、つまりサポート・レジスタンスラインをストップラインに使っているという点で、ダウ理論を内包しており、他の指標よりも論理的です。

HLバンドでは、
・前の高値をどこで抜けたのか
・今はレンジ内での動きなのか
・上へ抜けて新たなレンジへ動いている動きなのか
・高値と安値の幅により、ボラティリティが大きいか小さいか
などがわかります。

レンジの中の一番端では、利食いの動きが活発になり、相場をレンジの中に押え込む動きが出る一方で、そこを抜けると、今度は損切りのストップが待ち構えていますので、相場がドーンと走る様が見えると思います。これは、為替相場や商品相場で顕著です。
ただし、最近は皆がこのポイントに注目していますので、ダマシが多いようです。

パラメーターは、保合い相場を避けるため、10日から20日位が良いようです。カーブフィッティングに陥りがちですので、ラリーの言うようにあまり最適化することはお勧めできません。


究極のオシレーター

ラリーウイリアムズの有名な本、株で儲ける法に書かれている指標を作ってみました。   ラリーによると、前述したオシレーター系の欠点を取り除いた画期的なオシレーターだと言っています。   究極のと命名したところに、ラリーの自信が表れていますが、さてどうでしょうか?    どの程度有功かは私もこれからです。

この指標には真の高値や真の安値など、いままで聞きなれない定義の用語を使っていますし、計算方法も少し複雑なので、詳細はこの本を参照してください(P279)。